その昔、この辺りは、
西暦1171年(承安元年)に小山田城を
築城した小山田氏の配下にあり、
当店の近くにも小野路城という支城が
築城されておりました。
この小野路城の近くに
「小町井戸」と呼ばれる湧き水があり、
城内の飲み水として使われ、
いまでも水が流れています。
この「小町井戸」はその昔、
一人の仙人が何処より現れ、水を湧出させ、
里人にこれを与えたところ
病苦が取り除かれたといわれています。
この不思議な力の水の話はいつしか
都へ伝わり、平安前期の絶世の美人で、
六歌仙の一人である女流歌人
小野小町のもとにも届くこととなりました。
当時小野小町は病に罹り、
その治療に難儀しておりました。
そこで、この仙人の德をいただこうと
この地に下り、山に籠もること千日、
この水をいただき続けたところ
見事病は取り除かれ、
完全に治癒したとのことです。
このありがたい仙水の話にあやかり、
「多摩境天然温泉 森乃彩」の源泉名は、
「仙水の湯」と命名いたしました。